硬めで食べ応えのある食感のもの、柔らかくてジューシーなもの。干し柿にもいくつか種類がありますが、みなさんはどんな干し柿が好きですか?今回は干し柿の中でも人気の高い「あんぽ柿」と「市田柿」の2種類について紹介していきます。
あんぽ柿と市田柿の違いは、乾燥具合と産地
あんぽ柿と市田柿はどちらも干し柿ですが、比較してみると大きく異なるのが食感です。干し柿は作る工程において、干し加減を調整することで柔らかったり硬かったり、仕上がりの食感に違いが出てきます。また、この2種類の大きな違いがもう1点、作られている産地です。この違いを知っておくと、あんぽ柿と市田柿、どちらが自分の好みに合うのか分かるでしょう。
あんぽ柿の特徴
まずはあんぽ柿の産地や作り方、味わいについて紹介していきます。
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※2023年11月~2024年1月のデータあんぽ柿の産地
あんぽ柿の発祥の地は福島県伊達市梁川町と言われており、現在も伊達市を中心とする福島県が主な産地ですが、そのほかに奈良県、和歌山県、島根県など全国各地で作られています。
あんぽ柿の乾燥具合、作り方
あんぽ柿は通常の干し柿と違い、硫黄で燻製後に干す方法で作られており、仕上がりの干し具合が「半生状態」なのが特徴です。蜂屋柿や平核無柿を使用して作られることが多いです。
あんぽ柿はゼリーのような食感!
半生状態で仕上がっているので中は柔らかくジューシーで、まるでゼリーのような食感。外側の部分との食感の違いが楽しく、一度食べると癖になる味わいです。通常の干し柿に比べて水分量が多いので、干し柿が苦手な人でも美味しく食べられます。
市田柿の特徴
続いて市田柿の産地や作り方、味わいについて紹介していきます。
市田柿の産地
市田柿の主な産地は干し柿の生産量・出荷量共に全国トップの長野県で、そのうちの95%を市田柿が占めています。市田柿はもともと下伊那郡高森町の市田という地域で栽培されいた渋柿の品種で、2016年に農水省による「地理的表示産品(GI)」に認定され、長野県飯田市、下伊那郡、上伊那郡のうち飯島町および中川村と産地が特定されています。
市田柿の乾燥具合、作り方
市田柿の特徴として、1個30〜40gとやや小ぶりな大きさと綺麗な白い粉(柿霜)がついていることです。あんぽ柿に比べるとしっかり目に干し上げられており、作る工程において表面に柿霜をしっかりと吹かせるために柿もみの作業がしっかりと組み込まれています。
市田柿は羊羹みたいな食感!
表面はやや硬めですが中は柔らかく、ねっちり・もっちりとした羊羹のような食感で食べ応えがあります。また、柿霜がしっかりとついていることでザラザラ感もあり、食感の違いが楽しめます。市田柿はあんぽ柿に比べるとやや硬めですが、通常の干し柿よりも柔らかく食べやすいといえます。
ジューシーなあんぽ柿をぜひご賞味あれ!
干し柿というと硬くて食べにくいというイメージを持つ人も多いかと思いますが、あんぽ柿はトロッとジューシーな味わいを堪能できる唯一無二の干し柿です。なので干し柿は苦手という人もぜひ一度ご賞味ください。きっと干し柿だけではなく、ドライフルーツの概念を覆されますよ!