くだもの王国・福島の、秋の味覚、日本梨。甘くて、みずみずしくて、シャリシャリとした食感がとっても美味しいですよね!
代表品種「幸水」が出荷される7月から、8月の「豊水」、9月の「秋月(あきづき)」「二十世紀」、10月の「新高」と品種リレーが続きます。
そんな福島県に、幻の和梨との呼び声もある「萱場梨」(かやばなし)というブランド梨があることはご存じでしょうか?
今回は萱場梨の魅力を紹介するとともに、なぜおいしい日本梨を育てることができるのか、その秘密に迫りたいと思います!
萱場梨とは?その特徴
福島市の西北部に位置する萱場(かやば)地区にて生産される日本梨を総称して、「萱場梨」(かやばなし)と呼びます。
1886年(明治19年)に栽培がはじまり、130年以上の歴史がある「かやば梨」は、いまや福島県を代表するブランド梨に。
萱場梨の特徴・魅力としては、全国でも稀にみる柔らかく繊細な肉質、果肉の多さ(=角の部分の小ささ)、そして食味の良さが挙げられます。
たっぷりと果汁をたくわえた、みずみずしい果肉は、梨好きにはたまりません!
長い歴史の中にあっても、かわらぬ美味しさを先祖代々受け継いだ生産者の想いも感じられます。
萱場梨はどうやってはじまった?歴史に迫る
130年以上も前、萱場梨の原点としては、梨栽培の先駆者である鴫原佐蔵(しぎはら さぞう)氏の貢献が大きくありました。
鴫原(しぎはら)氏は、扇状地の砂礫土にはナシが適するのではないかという栃木県日光町の叔父の勧めを受け、1886年(明治9年)の秋、現在の福島市笹木野地区にて早生赤種50本を試験的に7畝の畑に植えました。
さらに,鴫原氏は翌年の4月に栃木県芳賀郡大内村からナシ苗500本を追加で植え、本格的に梨栽培を開始。
やがて、鴫原氏がおおきな利益をあげたことによって、近隣の生産者も梨栽培の収益性に注目し、梨農家が増えてったとされています。
その後、生産者組合による協働が増える中で、長期貯蔵の可能だった早生赤は、鉄道を利用して、仙台や盛岡をはじめとして東京や名古屋などの遠方にも出荷され、産地として確立していきました。
昨年の梨人気ランキング
※2023年8~10月のデータ参考
萱場梨はなぜ美味しい?
全国的にも評価の高い、萱場地区では、なぜその美味しさを実現できるのでしょうか?
1つは生産者同士で栽培技術を蓄えながら取り組んだ点があげられます。100年以上の経験の蓄積が、美味しい梨の栽培を支えます。
加えて、萱場地区の風土も、おいしい梨を育む環境として適していました。
具体的には、以下の3点が挙げられます。
- 吾妻山麓の麓、松川と須川の間の扇状地に位置し、水捌けのいい土地
- 収穫時期の夏から秋にかけて気温が高い日が続く
- 山間部が近いため、夜は気温が下がり、昼夜の寒暖差が大きくなる
これらが、キメの細かい食感とみずみずしさを育むのです。
萱場梨の代表品種
萱場梨として出荷されている品種は様々です。8月上旬の「幸水」から始まり、9月上旬の「豊水」その後のあきづき、新高など品種のリレーが10月中旬まで続きます。
それぞれの品種には以下の特徴があります!
幸水
幸水は「三水」の1つに数えられる人気の赤梨で、甘みが強くて酸味が少なく、果汁が多いのが特徴。シャリッとした食感はありますが、梨の中では柔らかめです。水分量がとても多くジューシーで、大きさは300g前後とやや小さめの品種です。褐色に色づき、玉ハリのよいものが美味しいです。
豊水
豊水は、幸水と同じく「三水」の1つに数えられ、知名度抜群!果汁をたっぷりと含んだみずみずしい食感が特徴。しっかりとした甘味がある一方で、ほどよく酸味もあるため、さっぱりさが売りです。甘い梨が好きな方はやや苦手かもしれませんが、大人の味です。大きさは350~400gと幸水よりも大きいです。収穫時になると皮が黄金色になり、果点とよばれる斑点模様がでてきます。
あきづき
秋に収穫されること、そして形が月のように丸いことが由来で名付けられた「秋月(あきづき)」は、2001年(平成13年)に品種登録された比較的新しい品種。
「新高×豊水」と「幸水」の交雑により誕生した赤梨です。
果肉はやわらかくて緻密。豊水や幸水に比べて酸味が少なく、甘味をしっかり感じられます。果実は大きめで500gほどになり、ボリューム感がでてきます。
新高
台湾の「新高山」にちなんで名付けられた「新高」。
果肉はやや粗めで柔らかく、あふれる果汁と酸味の少ない甘さが特徴です。
大きいものは1kg近くなるなど大型品種で、見た目にも立派で、贈答用として人気があります。
南水
長野県生まれの梨、「南水(なんすい)」。350gと中玉。9月中旬ごろから出荷されます。梨の大きさと表面がきれいで、見栄えが立派で、高級梨として贈答用によく用いられます。品種登録当時に1玉1,000円の値がついたこともあったそうです。
シャキっとした気持ちのよい食感の新興梨は、適度な甘さと糖度・酸度のバランスが美味しさの所以。果汁が多くジューシーな品種です。
二十世紀
青梨の傑作と言われる二十世紀梨。大きさは300g前後、色は黄緑色。8月下旬から9月中旬に旬を迎えます。甘み成分のショ糖や果糖だけでなく、酸味成分のリンゴ酸やクエン酸を含むため、やや酸味の効いた梨で、「玄人好み」な品種となっています。
萱場梨はどこで買える?
「幻の和梨」との評判もある萱場梨を食べたい!そんな方は、いったいどこに行けば購入できるのでしょうか?
直売所で購入する!
まず、JAふくしま未来の直売所を訪れて購入するという方法が考えられます。
直売所に並ぶ商品は、地元の農家さんが朝一番に運び込むもので、毎日新鮮です。
また、地元の農家さんが持ち込む商品以外にも、贈答用の共選品を扱うこともよくあります。じっさいに自分の目でみて選ぶ楽しさもありますよね!
ここら 矢野目店 ※ここら全店にて購入可
- 住所:福島市北矢野目字原田東1-1(電話:024-552-5881)
みらい百彩館「んめ~べ」
- 住所:伊達市雪車町19(電話:024-551-2223)
こらんしょ市 二本松店 ※本宮店でも購入可
- 住所:二本松市杉田駄子内6-1(電話:0243-62-4218)
旬のひろば ※相馬市ふれあい旬のひろばでも購入可
- 住所:南相馬市原町区錦町1-13(電話:0244-22-2860)
産直ECサイトで購入する
また、産地直送の通販サイトで購入することも、数量限定とはなりますが、JAふくしま未来公式オンラインショップでも販売をいたします。
当ECサイトは、JAふくしま未来が品質をチェックした安心安全の商品を産地直送でお届けします。そのため、幻の和梨のなかでも、良質なものをお届けできますので、ぜひ気になる方はお買い求めください!
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