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磯部ブランドの「そうま梨」とは?伝統の日本梨の特徴と歴史

磯部ブランドの「そうま梨」とは?伝統の日本梨の特徴と歴史

9月は実りの季節。「梨」は秋の味覚を代表する果物として多くの人々に親しまれています。まだ暑さが残る季節に、シャキシャキ感のある梨はたまりませんよね!

実は、日本各地には様々なブランド梨が存在し、個性豊かな味わいや食感で多くの梨好きを魅了しています。今回のJAふくしま未来の相馬地区のブランド梨、「そうま梨」の魅力に迫ります。

福島県の浜通り、磯部地区に伝統の梨あり

全国3位の広大な面積を有する福島県。大きく3つのエリアに別れます。

豊かな自然と歴史に抱かれた「会津地方」、四季折々の花と果物が魅力の「中通り」、そして太平洋に面した温暖な気候の「浜通り」。

浜通りの北部、相双エリアの磯部地区には、130年以上の歴史のある梨栽培がされています。「そうま梨」ブランドについてご紹介します!


「そうま梨」は130年以上の栽培の歴史

温暖な気候の相双エリアは、海の幸から畑の恵みまでが揃う食材の宝庫です。

くだもの王国・福島の一角をなすこの地域では、明治22年から梨が栽培されてきました。海に面した磯部地区の梨は、「そうま梨」として、地元民なら誰もが知っている、芳醇な甘さとシャキシャキとした食感の美味しい梨を生産しています。

生でそのまま食べてもよし、すりおろして肉料理に使うでもよし。7月から11月まで長期間楽しむことができます。

「そうま梨」が美味しいワケ

磯部地区の「そうま梨」が美味しい理由としては、以下の3点が挙げられます。

  1. 相双エリアの温暖な気候
  2. 独特な粘土質の土壌
  3. 潮風が吹き込み、ミネラル豊富な土壌に

順に紹介していきます!

ポイント1:相双エリアの温暖な気候

相双エリアは海に面していることで、福島県の内陸エリアと比較して、比較的温暖な気候となっています。夏は涼しく、冬は温暖で降雪の少ない地域です。

とはいえ東北地方に位置する福島県。その他の地域と比較して温暖でも、夜は冷えることもしばしば。そうした寒暖差の大きな気候が、梨の果実を甘く育てます。

昼の暖かさの中で、栄養が果実に行き交い、夜の寒さの中で養分が果実に蓄積するのです。

ポイント2:独特な粘土質の土壌

また、磯部地区の独特な粘土質の土壌が梨をおいしくします。

粘土質の土壌は根がはりにくい上に、栄養や水分の吸収が難しく、木にストレスがかかります。育ちづらい環境に思われますが、むしろ逆で、そうしたストレスが樹々に果実へ多くの栄養を渡す動きにつながり、甘い梨ができあがると言われています。

(その分、栽培技術は高度なものが必要となります)

潮風が吹き込み、ミネラル豊富な土壌に

そして、海に面していることで風で巻き上った潮風が吹き込むことで、土壌にミネラル成分が豊富になります。ミネラルは光合成や生体(酵素)反応の触媒作用など、植物の生育に必要不可欠です。

これらの自然環境に、生産者の努力と技術が合わさって、美味しい「そうま梨」が守られてきました。

「そうま梨」の品種リレー

そうま梨として出荷されている品種は様々です。8月上旬の「幸水」から始まり、9月上旬の「豊水」その後のあきづき、新高など品種のリレーが10月中旬まで続きます。

それぞれの品種には以下の特徴があります!


幸水

幸水は「三水」の1つに数えられる人気の赤梨で、甘みが強くて酸味が少なく、果汁が多いのが特徴。シャリッとした食感はありますが、梨の中では柔らかめです。水分量がとても多くジューシーで、大きさは300g前後とやや小さめの品種です。褐色に色づき、玉ハリのよいものが美味しいです。

豊水

豊水は、幸水と同じく「三水」の1つに数えられ、知名度抜群!果汁をたっぷりと含んだみずみずしい食感が特徴。しっかりとした甘味がある一方で、ほどよく酸味もあるため、さっぱりさが売りです。甘い梨が好きな方はやや苦手かもしれませんが、大人の味です。大きさは350~400gと幸水よりも大きいです。収穫時になると皮が黄金色になり、果点とよばれる斑点模様がでてきます。

あきづき

秋に収穫されること、そして形が月のように丸いことが由来で名付けられた「秋月(あきづき)」は、2001年(平成13年)に品種登録された比較的新しい品種。

「新高×豊水」と「幸水」の交雑により誕生した赤梨です。

果肉はやわらかくて緻密。豊水や幸水に比べて酸味が少なく、甘味をしっかり感じられます。果実は大きめで500gほどになり、ボリューム感がでてきます。

新高

台湾の「新高山」にちなんで名付けられた「新高」。

果肉はやや粗めで柔らかく、あふれる果汁と酸味の少ない甘さが特徴です。

大きいものは1kg近くなるなど大型品種で、見た目にも立派で、贈答用として人気があります。

新興

400g~600gという大きめのサイズに育つ新興梨は10月中旬から収穫される晩生の品種。

シャキっとした気持ちのよい食感の新興梨は、適度な甘さと糖度・酸度のバランスが美味しさの所以。果汁が多くジューシーな品種です。

「そうま梨」を食べるには?

「そうま梨」を食べるにはいくつか方法があります。

まずは、相馬市が毎年関わるイベントに参加し、無料でいただく方法。

具体的には、毎年10月下旬の「ハイウェイフェスタとうほく」(仙台市勾当台公園)と11月第一日曜日に行われる「そうま市民まつり」にに、”そうまの梨”を無料配布し、多くの方にそうまの梨を食べていただく機会を用意しているそうです。

次は、そうまの梨”はJAふくしま未来の直売場「ふれあい旬のひろば」や「磯部の選果場」など、各農家の直売所・スーパーで購入するというもの。

農家さんが愛情を込めて育てた美味しい”そうまの梨”をぜひ味わってください。