干し柿の中でも、柔らかくてジューシーな味わいが特徴のあんぽ柿。年末年始の贈答用のお取り寄せとしても人気があり、さまざまな産地のものが販売されています。
じつは福島県伊達市が発祥の地。原点にして頂点の、JAふくしま未来の出荷する「伊達のあんぽ柿」について、名前の由来や歴史、その魅力についてご紹介します。ぜひご一読ください!!
あんぽ柿とは?
あんぽ柿とはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは特徴やおすすめの食べ方についてご紹介します◎
あんぽ柿の特徴
あんぽ柿は、以下の特徴があります。
・色艶の良い鮮やかなオレンジ色の果肉
・全体的に柔らかな触感
・半生でジューシーかつトロリとした口当たりの良い食感
・ほんわりと口の中で長く続く上品な甘み
・他の干柿の7~15倍という高いビタミンC含有量
あんぽ柿と干し柿との違い
「干し柿」は水分が25~30%前後程で、触感は羊かんのようにもっちりとして、表面に粉が出ているのが特徴です。「市田柿」等が代表的です。
一方、あんぽ柿は、水分が50%前後含まれていて、柔らかく、ジューシーで口当たりの良い食感が特徴です。
果糖とブドウ糖の割合が良く、甘みが本割と口の中で長く続き上品な甘みを感じることができます。また、通常、生柿に多く含まれるビタミンCは、干し柿に加工した場合著しく減少しますが、あんぽ柿は他の干し柿の7~15倍のビタミンCを含んでいます。
あんぽ柿のおすすめの食べ方
食物繊維が多く含まれ、免疫力のアップや女性には嬉しい美容効果も期待されます。
乳製品と相性も良く、ヨーグルトやチーズと組み合わせたり、なますや天ぷらにしたりしても美味しく、様々なアレンジ料理を楽しむことができます。
もっと幅広いアレンジを楽しみたい人はこちらの記事にあんぽ柿の活用レシピをまとめていますので、ぜひご覧になってください。
あんぽ柿は干し柿と違う?100周年のあんぽ柿はジューシー!
みなさんは「あんぽ柿」を食べたことがありますか?見た目は干し柿と似ていますが、作る工程が異なるので食感や味わいも全然違うんです。今回はあんぽ柿の味わいや干し柿との違い、加工レシピなどあんぽ柿の魅力をたっぷりと紹介していきます。
https://f-mirai.sanchoku-prime.com/blog/1
伊達のあんぽ柿とは?
あんぽ柿は福島県伊達市梁川町五十沢(いさざわ)地区が発祥とされています。
「あんぽ柿」は、江戸時代から五十沢地区で生産されていた「あまぼしがき(天干柿または甘干柿)」が訛ったことが名称の由来と言われております。大正11(1922) 年に硫黄燻蒸技術が確立し、大正12年(1923) に出荷組合が創立され、令和4(2022) 年で100年を迎えました。
中身は半生でトロリとしており、上品な甘さが特徴です。また、福島県ブランド認証産品にも選定されております。令和5年1月31日にGI認証「伊達のあんぽ柿」として登録になりました。
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※2023年11月~2024年1月のデータ「伊達のあんぽ柿」GI認証登録情報
登録番号:第123号
申請年月日:平成30年 1月 26日
登録年月日:令和5年 1月 31日
生産者団体名称:伊達地方あんぽ柿連絡協議会(構成:JA・専門農協・商系業者)
生産者団体代表者:会長 佐藤 孝一 (6)生産地:福島県伊達市、国見町、桑折町、福島市の一部、川俣町の一部、宮城県白石市の一部
(2)申請年月日:平成30年 1月 26日
(3)登録年月日:令和5年 1月 31日
(4)生産者団体名称:伊達地方あんぽ柿連絡協議会(構成:JA・専門農協・商系業者)
(5)生産者団体代表者:会長 佐藤 孝一 (6)生産地:福島県伊達市、国見町、桑折町、福島市の一部、川俣町の一部、宮城県白石市の一部
「伊達のあんぽ柿」地域団体商標の登録
登録番号:第6046830号
出願年月日:平成29年1月24日
登録年月日:平成30年5月25日
商標権者:ふくしま未来農業協同組合
「伊達のあんぽ柿新ロゴマークの図」商標登録
登録番号:第5983776号
出願年月日:平成29年1月24日
登録年月日:平成29年9月29日
商標権者:ふくしま未来農業協同組合
福島県伊達市は、阿武隈山系と奥羽山脈に囲まれた福島盆地に位置します。
そのため、季節による気温差が比較的大きく、夏は暑く、初秋は昼夜の寒暖差があります。また、福島盆地を流れる阿武隈川の川霧が、春の遅霜から花芽を守り、秋の冷え込みから柿の実を守ってくれます。
このように柿の栽培に適した気候のため、非常に熟度が高い原料柿を生産することができます。 また、自然の気候風土により、乾燥の進みと戻りを繰り返しながら、11月中旬~12月中旬の30日間程度、時間をかけてじっくりと乾燥させることができます。
これは、標高の低い福島盆地の晩秋から初冬の冷涼で穏やかな気温変化と、半田山から吹いてくる「半田おろし」という冷たい乾いた風、晩秋から初冬にかけて朝夕の冷え込みにより発生する「阿武隈川の川霧」による調湿作用により、柿の程よい乾燥がじっくりと進み、柿全体がしっとりと柔らかく、トロリとした舌触りになります。
「伊達のあんぽ柿」の100年の歩み(歴史・沿革)
伊達のあんぽ柿の歴史・沿革
令和4年に100周年を迎えた「伊達のあんぽ柿」。その100年の歩みをまとめると次のようになります。
近年、東日本大震災と東京電力福嶋第一原子力発電所事故の発生の影響を受け、大きく生産量を落としていましたが、当時としては先進的だったHACCP認証を取得した「あんぽ工房みらい」を設立し、安全で安心なあんぽ柿生産の強化しました。加えて、ブランド認証の取得に取り組み、お客様からの信頼回復に努めてまいりました。
JAふくしま未来の取り組み
産地を守り育てていくのがJAの役割。JAふくしま未来では、あんぽ柿の継承と発展のため様々な仕掛け・工夫をしています。その代表的な取り組みを3つ、ご紹介します。
加工選別包装施設「あんぽ工房みらい」の稼働
生産者の高齢化や担い手不足による生産基盤の減退や、労働力不足・生産性の低下が顕著であったことから、生産者の作業負担軽減、生産基盤の拡充を狙いとし、平成28年度より「あんぽ工房みらい」を稼働しました。
当施設は、あんぽ柿原料の加工、自然乾燥循環設備、クリーンルームを備えたパッケージ施設であり、最新式選別システムによる品質管理を行うあんぽ柿産地振興の基幹施設として位置付けられます。
また、国際的に認められている、安全で衛生的な食品を製造するための管理方法であるHACCP認証を取得しています。
【参考】あんぽ柿の生産施設「あんぽ工房みらい」とは?
100年の歴史をもつ、福島県伊達市梁川町五十沢地区のあんぽ柿。 硫黄で燻してから干し上げる事で、雑菌の発生やカビが予防され、独特の飴色がかった美しい橙色ととろっと熟した甘味が醸成されます。 昔ながらの“スイーツ”は、トロッと甘く、やわらかい食感が一層、濃厚さを引き立てます。 ビタミンA、βカロテン、カリウム、食物繊維など栄養面でも優秀な逸品。 また、あんぽ柿へと乾燥させている「柿のカーテン」は初冬の風物詩として親しまれてきました。 そんな伝統のあんぽ柿を、次の100年へつなぐべく、JAふくしま未来が平成28年に開設した「あんぽ工房みらい」についてご紹介します。
https://f-mirai.sanchoku-prime.com/blog/12
農業塾の開催
新規就農者、農業に従事して間もない方を対象に開催。伊達農業普及所の技師、ベテランの農家を講師に招き農業経営のノウハウから、栽培技術全般の講習会を開催しています。新規のあんぽ柿生産者を増やし、地域に根差した農業者の育成に力を入れています。また、地域との繋がりを得ることで、自立後も地域からのサポートを受けられる体制を構築していきます。
東京農業大学実習生の受け入れ
JAふくしま未来と東京農業大学の包括連携協定により、農畜産業とその関連産業の活性化に貢献する活動を展開しています。農業実習生の受け入れにより地域の農業者で労働力を必要としている組合員を支援しています。
100周年を迎えましたが、今後も、産地を守り、未来につないでまいります。応援のほどよろしくお願いいたします!
まとめ
あんぽ柿の歴史は深く、発祥の地である福島県では今年あんぽ柿の誕生100周年を祝う記念式典が行われました。あんぽ柿のルーツであるこの地で作られるあんぽ柿は「伝統の味」そのもの。長年受け継がれてきた伊達市のあんぽ柿をぜひ一度ご賞味ください!