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あんぽ柿は、完熟の柿を硫黄燻蒸し、自然乾燥させたセミドライフルーツです。「天干し柿(あまぼしかき)」が転じて、あんぽ柿と呼ばれるようになったと言われています。
原料は渋柿ですが、加工することで渋みが抜け、甘みとうまみが凝縮されます。水分量が多く種の少ない柿を使っているため、一般的な干し柿とは異なり、とろっとした半生の食感に仕上がります。
伊達のあんぽ柿の歴史について
肉厚で濃厚な甘みのあんぽ柿をつくるために、JAふくしま未来では、原料となる柿の品質にも厳密な基準を設けています。完熟状態での収穫を徹底し、大粒で形のきれいな柿を選んで加工しています。
あんぽ柿づくりで特に重要な工程が「吊り干し」です。冬場の寒風を利用して、1か月ほどかけてじっくりと自然乾燥させます。天候を見極め、干し場の温度と湿度をコントロールする技術によって、あんぽ柿特有のとろっとした食感を生み出すのです。
伊達のあんぽ柿の歴史について
南東に傾斜し温和な気候の五十沢地区では、江戸時代から柿の栽培と干し柿づくりが盛んでした。
大正時代になると、アメリカで干しブドウの加工に用いられていた硫黄燻蒸技術が持ち込まれます。当初は渋みが残ってしまうという課題がありましたが、数年におよぶ試行錯誤の末、従来の干し柿よりも味、食感、色味の良いあんぽ柿が誕生しました。
秋から冬にかけて、赤橙色のあんぽ柿が吊られる風景は、大正時代から変わらぬ福島盆地の風物詩となっています。
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